ある日、突然何も見えなくなってしまったら…。

驚異的な伝染力で視力を奪う奇病<ブラインドネス(白の闇)>が世界中に広がり、人々も町も混乱の渦の中に。政府は感染者の強制隔離に踏み切り、感染者たちを収容所に送りこみます。

閉鎖された空間の中、感染者たちはしだいに秩序を失っていきます。視力を失っただけでなく、心の均衡も保てなくなっていくのです。
そんな中、たった一人視力を失わなかった女性は、感染者たちの中で「光」を求めて必死に闘います。無秩序な収容所の中では、見えない者よりも、むしろ見える者の方が過酷なことが多いと言えるのかもしれません。白い闇をさまよう感染者の瞳にもう一度「光」を、そして失いつつある心にも「光」をと願い、一人“見えている"彼女は、孤軍奮闘を続け、感染者たちを連れ立って廃墟の町へ…。町中に感染者があふれている悲惨な世界を目にした女性は、それでも何とか生きていこうと力強く行動します。

街には感染者があふれ、もちろんスーパーなど店舗もまったく機能せず…。
食べるものも飲むものもない、白い闇の世界の中で、突然降りだした雨を全身に受け、人々は一体何を感じたのでしょうか?