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知りたい!相続税!

第3回 生前贈与で気を付けること・・・実はたくさんあります!その1

相続や贈与に関する税金について回を分けて説明していきます。

2014/12/11

平成27年からの相続税の改正に合わせて、今新聞やTVなどいろいろな解説などが紹介されていますが、その中でも相続対策として一番多く挙げられているのが生前贈与だと思われます。
よくあるのが年110万円の贈与非課税枠を利用した預貯金の贈与、生命保険の利用などがありますが、せっかくコツコツと贈与したつもりでも、実は贈与として認められない財産の移し方をされている方がかなりいらっしゃいます。贈与という行為はいろいろと注意すべきことが多いのです。

1.贈与とは?

一般的に、贈与といえば誰かにタダでものをあげることをイメージしますが、正確にはあげる人ともらう人の双方の意志(合意)がないと成立していません。
民法では
(贈与とは当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによってその効力を生ずる。)
とあり、当然税法においても民法と同じ考えになります。

2.贈与として認められる?

例をあげて検討してみましょう!

例1)親が子のために、子名義の通帳を作り、毎年110万円をその通帳に振り込んでいた。 通帳は子に渡すと使ってしまう可能性があるので親が管理していた。子はこのことを知らない。

検討1)子供がその事実をしらないということは、贈与が成立していないためいくら子供名義の預金といっても親の財産になります。この場合、相続税の計算するにあたり子供名義の預金も相続財産に加えて計算することになります。
贈与は、貰う側の受諾の意思表示もないと成立しないということを理解してください。

では、次は子ではなく孫(未成年者)への贈与はどうなるでしょう?
例2)祖父が孫のために、孫名義の通帳を作り、毎年110万円をその通帳に振り込んでいた。 通帳は孫に渡すと使ってしまう可能性があるので祖父が管理していた。孫及び孫の親はこのことを知らない。
検討2)孫が未成年の場合、孫自身がその通帳の存在をしらないという理由だけで贈与が成立しないということはありません。ただ、上記のケースでは祖父が孫の通帳を管理しているのが問題になり贈与として認められません。
孫が未成年の場合にはその親権者である親が代りに受取り、成人になるまで孫名義の預金を親が管理している場合は贈与があったと認められます。(ただし、孫の通帳は孫の印鑑で作成すること)
また、贈与の意志は口頭でもいいのですが、特に未成年の孫に対する贈与の際は贈与契約書を作成しておいた方が後日立証しやすくなります。(この場合、贈与契約書には贈与者(祖父)、受贈者(孫)、受贈者の法定代理人(親)の署名が必要(孫は親が代筆可)です。)
上記は孫が未成年の場合ですので、成人している場合は本人の貰う意思と管理が必要になります。

また、一般的によく、贈与税の申告をしていれば大丈夫という情報がありますが、上記の2つの例の場合で仮に贈与税の申告を出していたとしても贈与として認められることはありません。
贈与税の申告=贈与として認められるものではないことに注意してください。

3.贈与として認められなかったら?

贈与として認められなかったらどうなるでしょうか?
せっかく、長い期間をかけて贈与をしたつもりでも、それが贈与として認められなかったら名義が違ってもその財産は、亡くなった方の相続財産になります。相続税の税務調査では、この名義財産の帰属先が問題になるケースが非常に多いのです。贈与としてしっかり認められるためにも自己流や不確かな情報に頼らないで専門家に相談することをお勧めします。

4.贈与にまつわる情報について

現在、相続税の改正に合わせていろいろな情報が飛び交うようになっています。中には不確かな情報や間違った情報があります。特に気を付けていただきたいのがインターネットでの情報です。情報収集される場合には、誰が書いているのかしっかり確認するようにしましょう。
手前味噌にはなりますが、一番いいのは相続税の税務調査を経験し、名義預金について正しく判断できる税理士に相談されることです。

贈与に関することはまた次回に続きます。

相続・事業承継サポート すみだ税理士事務所

税理士 澄田卓哉

電話  0834-34-5488

HP http://www.sumida-tax.jp/